胎動篇《二》ー050

月子
(…地下…)

綾狐
「全員だ。勿論、香紗殿、天納、鬼灯姫…だっけ?とお師様には地下に降りる迄目隠しをさせて貰う」

月子
「あの、姉さま」

綾狐
「ン?何だ?」

月子
「地下には何かあるのですか?」


月子の質問に一瞬綾狐が緊張する。


綾狐
「…地下には座敷牢が在る」

月子
「座敷…牢?」

綾狐
「そ。幾重にも重ねた結界の奥に地下へと下りる入口が在って、其の先に座敷牢が在る」

月子
「誰かを閉じ込めているの…?」

綾狐
「いや?自分から閉じ籠もったンだよ」

月子
「?」



自分から牢に入ったの…??



目隠し組が悩んでいると千代が小さく「あっ」と声を上げた。


全員が一斉に千代を見る。


千代
「もしかして…」

全員
『?』

千代
「天納くんの好きな人ってこの人?」


そう言って千代は鬼灯姫を指差した。


天納
「…!」

鬼灯姫
「!」


とんちんかんな話でどっと緊張感が飛んでいく…。


千代
「あ!当たった?天納くん顔真っ赤〜☆」クスクス


天納は耳まで真っ赤にして俯いてしまう。


香紗
「公開処刑だな」ニヤニヤ

鬼灯姫
「香紗…ッ!」


心なしか鬼灯姫も慌てている。


銀華
「あら、当たりなのね。天納君の言っていた通り、とても綺麗な子ね」フフ

鬼灯姫
「お前…そんな事話したのか」

天納
「…ごめんっす…」ポツリ

香紗
「ま、其れは置いといて。夕暮れ迄時間あるけどどうするんだ?」
 

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