胎動篇《二》ー043

琉々
「茶羅(さら)」

茶羅
「おや、琉々。綾狐様と一緒だったのかい?」

琉々
「まぁ。其れよりコレを」

茶羅
「ん」


琉々は担いでいた二匹の仔妖怪と鬼の成りかけの娘を茶羅に渡す。


綾狐
「月子と天納も先に乗ってろ」

月子
「はい。天納くん」

天納
「…」

香紗
「鬼灯姫も乗れ」

鬼灯姫
「は?」

香紗
「色々と話がある。だからお前も乗れ」

鬼灯姫
「…其れは命令?」

香紗
「そうだ」


鬼灯姫はやれやれと面倒臭そうな顔をし、纏幻童子を連れて牛車へと乗り込む。

其れに続いて月子と天納も乗り込んだ。


将右衛門
「綾狐殿どうなさいました?」

綾狐
「将右衛門殿。申し訳有りませン。火急の用故、修行を中断して和(なご)に帰らなければならなくなりました」

将右衛門
「そうですか」

綾狐
「鬼の話は聞かれましたか?」

将右衛門
「はい」

綾狐
「彼は和国(なごく)に関係の有る鬼です。我等が此処に居てはまた襲って来る可能性も有ります。念の為、飯綱と琉々を置いて行きます。其れからお師様は任務の予定等は?」

将右衛門
「威介は今任務から外しています。暫くは空いていますが、其れが?」

綾狐
「では、少し借りても宜しいか?非常事態ではありますが、月子と天納には非常事態だからこその備えをさせてやりたいのです」

将右衛門
「あぁ威介で良ければ構いませんよ。そう言う訳だから、威介。綾狐殿に着いて行きなさい」ニッコリ
 

[ 96/154 ]

|

し お り を 挟 む

ペ ー ジ 一 覧 に 戻 る

目 次 に 戻 る


←Novel

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -