胎動篇《二》ー042
月子
「Σわっ」
威介
「Σおっ!?」ビクッ
綾狐
「Σど、どうした;;;」ドキドキ
月子
「あ、ごめんなさい;;;綺麗な人だなと思って…;;;」
鬼灯姫
「…大きな声を出す事?」
月子
「ごめんなさい…;;;」
琉々
「綾狐様」
鬼灯姫
「今度は何?」ジロリ
綾狐
「すまン…;;;」
香紗
「落ち着けって」
琉々
「神倶夜(かぐや)様から式が飛ばされて来ました」
綾狐は神倶夜という名前に一瞬眉を顰める。
琉々は手に乗せた小さな白い鳥を綾狐に差し出している。
綾狐
「…」
差し出された鳥は煙りに変わり消え、手には金色の石が残った。
香紗
「石?」
飯綱
「綾狐さま…」
飯綱は心配そうに見詰める。
綾狐は石を手に取るとそっと握り締めた。
綾狐
「………。…修行は中止だな」
険しい顔で口を開く。
綾狐
「直ぐに帰るぞ。香紗殿と天納もだ。ついでに其処の二匹も」
香紗
「…」
綾狐
「お師様、依千神殿を呼んできてください」
威介
「…わかった」
威介は何かを言いかけて飲み込むと部屋を後にした。
???
『綾狐様、お迎えにあがりました』
綾狐
「…琉々、二匹と其処の鬼の成りかけを牛車に」
香紗
「牛車?」
香紗が障子を開けると庭には牛車が一台とその前に琉々と同じ様な者が三つ指をついていた。
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