胎動篇《二》ー041

綾狐
「…なァ其奴…え?」


ぱんっ。


鬼灯姫
「…」

天納
「鬼灯姫ちゃん…」


鬼灯姫は思い切り天納の頬を張った。


香紗
「…其の辺にしとけよ。で、どうした綾狐殿」

綾狐
「あ?あァ。其の娘は香紗殿達の仲間か?」

鬼灯姫
「…"纏幻童子(てんげんどうじ)"。地獄で発生した鬼よ」

綾狐
「其奴も鬼なのか」

鬼灯姫
「纏、どうして殿(おり)から逃げ出したりしたの」

綾狐
「え?脱走したのか?」

香紗
「みたいよ。そういえば久住さんは?」

綾狐
「え?あ、居ねェな」


久住は何時の間にか姿を消していた。


飯綱
「皆さん一旦部屋に上がられませんか?そこじゃあ冷えてしまいますよ」


飯綱が声を掛けると全員が部屋に上がる。


飯綱
「綾狐さま。この狐と雪女はどうなさいますか?」

綾狐
「其れはちょっと保留。お師様、月子は?」

威介
「まだ寝てるぜ」

綾狐
「そうですか。もう札は大丈夫だな」


綾狐は月子の握る札を取り上げる。


月子
「…ぅ、ん…」スゥ

綾狐
「お早う、月子」ニッコリ

月子
「…姉さま…?」

綾狐
「おう」

威介
「大丈夫か?」

月子
「お師匠さま…?」

鬼灯姫
「で、もういいかしら?」

綾狐
「おう、悪ィな」
 

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