胎動篇《二》ー027

天納
「今鬼灯姫ちゃんが施術している結界は、対象の妖怪にオレたちの姿や気配を見えなくさせる術なんす」

綾狐
「あァそういうやつか」フム

月子
「?」

綾狐
「とりあえず静かにしてれば大丈夫だ。ただし、此のての結界は破れ易い」

月子
「え…」

綾狐
「お師様、月子」

威介
「…」

月子
「はい…」

綾狐
「一つ守って欲しい事がある。"絶対声を挙げない事"」

威介
「声出したら駄目なのか?」

鬼灯姫
「結界の内側で誰か一人でも声を出すと結界が破れるのよ。結界の仕上げをするから全員其の屏風より後ろに下がって頂戴」


言われた通りに全員が屏風の後ろへと下がる。

部屋の中は、入口正面に気を失った女、右手側少し離れた所に大きな屏風が在り、入口側から綾狐、月子、威介の順座って居る。入口左手側には天納が座って居り、部屋の一番奥、寝かせた女を前にして鬼灯姫が座って居る。

鬼灯姫は空間から何かを取り出す。

其れと同時、部屋の障子が開かれた。


部屋の中に緊張が走る―。


鬼灯姫
「……遅い」

香紗
「悪い」


入口に居たのは香紗だった。


天納
「香くん!」
 

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