胎動篇《二》ー021

威介
「…」イライラ

綾狐
「月子、天納に合わせる必要は無いぞ?ゆっくり走れ」

月子
「っは、はい!」ハァハァ

綾狐
「…お師様」

威介
「…」イライラ

綾狐
「お師様!」

威介
「…!」ハッ

綾狐
「そンなイラついた状態で修行出来るンですか?」

威介
「…ほっとけ」

綾狐
「やる気が無いのであれば俺が見ときますンで」

威介
「あっそ」スッ


威介は立ち上がると道場の入口に向かう。

戸の所で立ち止まり、中を振り返らずに「じゃあ後頼むわ」と残して出て行った。


綾狐
「……馬ァー鹿」ボソッ

天納
「あれ?師匠は?」

綾狐
「ふてくさって出てったよ。だから今日の修行は俺が見る」

天納
「?そうなんすか。じゃあ綾狐様よろしくっす☆」

綾狐
「はいはい」クックックッ

月子
「あ、あの」ハァハァ

綾狐
「ン?」

月子
「あの、お師匠さまがふてくさったって…」ハァ

綾狐
「気になるか?気になるなら山側の庭から屋根に上がってみるといい」

月子
「屋根、ですか?」キョトン

綾狐
「お師様は何かあると何時も其処に居る」

月子
「…わかりました!」

綾狐
「たーだーしッ!」

月子
「?」

綾狐
「お師様にあーンまり引っ付いてるとお前も危ない目に遭うからな?それと、梯子気をつけろよ?」ビシッ

月子
「う゛…。気をつけます…」

綾狐
「行ってこい」ククク

月子
「いってきます!」


お師匠さまなんだか様子が違った気がする…。


気になる…。


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
 

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