胎動篇《二》ー019

綾狐
「で?」

香紗
「ん?」

綾狐
「何時まで抱いてるつもりだ?」ククク

香紗
「俺の気が済むまで」フフ

綾狐
「あっそ。…背、伸びたな。彼の頃は俺より小さかったのに」

香紗
「色々努力したんだ。最後の日の君の泣き顔を見たら守ってやらなきゃって…再会してみればまさかの最強御当主様に成ってたけどな」クスクス

綾狐
「俺も色々努力したンだよ」クックックッ


笑い合いながら香紗が縁側まで綾狐を誘導して腰をかけ、どちらともなく思い出話をする。



話は止め処なく続き、やがて二人は寄り添ったまま眠りに落ちた。


そんな二人を月明かりだけがただ静かに見守る―。






今ハタダ再会ノ喜ビヲ―。






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