胎動篇《二》ー010
将右衛門
「威介。お前の紹介がまだだ」
威介
「必要?」
将右衛門
「当たり前だ」
綾狐
「いンや、構いませンよ。俺が適当に紹介しときますンで」ニヤニヤ
威介
「!!」
将右衛門
「そうですね。それが良い」ハッハッハッ
威介
「将右衛門様っ!!」
綾狐
「クックックッ」
威介
「あ〜や〜こ〜っ」
綾狐
「おお。怖い怖い!」カッカッカッ
香紗
「ぷっ」ククク
威介
「Σ笑うなっ!!」ガァッ
月子
「姉さま!柳凪さま!;;;…あ」
威介
「あ゙っ!?」
こ…怖い…;;;
月子
「ね、姉さま?;;;」
綾狐
「ン?」クックックッ
月子
「あの、稲荷家を目の敵にしてるというお話ですが…」
綾狐
「あァそうそう。あれな」
将右衛門
「目の敵?」ピクッ
綾狐
「はい。稲荷家(うち)の奴らはずっとお師様が付きっきりで修行をして参りました。時にはお師様も一緒になって依千神殿に教えて頂くことも」
将右衛門
「ありましたなぁ。懐かしい」フフ
綾狐
「里の女子はそれが気に入らないンですよ」ククク
将右衛門
「?…意味が良く解りませんな」
綾狐
「将右衛門殿は相変わらずですね。幼少の頃より器量良しで女誑しの八笠女威介、真面目で物静かで色事には疎いがやはり器量良しの依千神将右衛門…」
将右衛門
「いやいや」
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