034
枷を外されたアオイは手首を気にしながら眼下のヤミを見やる。
アオイ
(…共食い始めてやがんな。あんまし時間かけてるとこっちもあぶなくなる…)
オズワード
「アオイ君大丈夫か?もし無理ならシグレも」
アオイ
「いらねー。こんくらいなら全然へーき。ルイズ」
ルイズ
「なになに…?|||」ゲッソリ…
(↑ヤミの群れに胸やけ起こした…)
アオイ
「オレの刀返してくれ」
あぁ…、とルイズは懐から懐刀を取り出し差し出す。だがアオイはそのまま刃だけを鞘から抜いた。
ルイズ
「?あれ、これは??」
アオイ
「それはちょっと預かっててくれ。あとオレすこし本気出すから絶対手ぇ出すなよ」
ルイズ
「え?ちょっ!?アオイちゃん!!!」
アオイはヤミの渦へと飛び込んだ。飛びかかるヤミ達をするすると避けながら手近な廃墟の屋根へと上がる。
リーツ
「ふぅん…?確かに大した身体能力だ。だが、この数相手にどこまで立ち回れるかな。ねぇ?シグレ」
シグレ
「…」ビクッ
オズワード
「シグレ、こっちに来なさい。リーツ王はそれ以上近付かないで下さい」
シグレ
「…!…これ…」
オズワード
「どうした?」
シグレ
「聞こえる…この歌…」
オズワード
「歌?」
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