規格外少女ｰ001
【聖都：アルファヴァ】
障壁の外［帰らずの森］
ヤミに侵された世界に唯一残された自然溢れる都《聖都：アルファヴァ》。このアルファヴァには聖樹と呼ばれる大樹があり、その聖樹を中心にして円形に形成された最後の都である。
何故アルファヴァだけが取り残されたかのように自然に溢れているのか。それは魔力を失う世界の中で聖樹だけが強い魔力を帯び、その魔力がヤミを遠ざけている為である。
聖都は周囲をぐるりと聖樹の魔力で精製した障壁に囲まれている。その障壁の外側は《帰らずの森》と呼ばれる森。聖樹の魔力の影響でヤミが近寄れず生物の生息する緑溢れる森なのだが、聖樹からの距離もあってかその魔力は障壁内程ではなく"強い個体"のヤミならば容易に森に入る事が出来る。
故に入ったら最期、二度と戻っては来られない森という意味を込めて帰らずの森と呼ばれるのだ。
だがそれも今は昔の事。現在では聖都を守護する師団以外の人間は障壁のある区画への立ち入りを禁止しており、ヤミとの接触による死亡件数はかなり減っていた。
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