008

 差し出される古い手帳。


 それは魔装警師団で各団員に支給されている物だった。


???
「オヤジがもし障壁を越えることができたらホームズ・ルートンに渡してくれって。この、折ってあるとこなんだけど…オマエ読んでくれよ。なんて書いてあるか知りたいんだ」

オズワード
「キミのお父さんは警師団員?キミは一体…」

???
「オレは食うに困った親が障壁の外に棄てた子供。オヤジは障壁の中に帰れなくなった聖都の人間でオレを拾って育てた」

オズワード
「!棄て子だって…」

アオイ
「名前はアオイ。オレの着てた赤ん坊衣装に刺繍してあった名前だってオヤジが言ってた。この懐刀もオレが抱いてたって」

ルイズ
「っじゃあ…キミはお父上と"障壁の外で"今まで生活していたのかい!?ヤミだらけの地獄で!?」

アオイ
「オヤジはふたつ前の春にヤミに喰われたよ」

ルイズ
「!?」

アオイ
「だから、オヤジの最後の願いを叶えにここに来た。な、その手帳読んでくれよ」

オズワード
「…」


 オズワードは気持ちがざわついたままゆっくりと手帳を開いた。


オズワード
「…"親愛なる我が友、ホームズへ"…」
 


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