微笑むヒト-005
ホームズ
「ひとまずこの話は預かろうぞ。今夜は飼い主の元へと帰るがいい」
シグレ
「オズワードには?」
ホームズ
「まぁまぁぼちぼちゆるゆるなんとかしてみようと」
シグレ
「分かった。戻るぞ」
アオイ
「もう帰るのか?」
ホームズ
「オズワードの魔装警師団とワシの警師団。この2つの師団は他の有志による師団から良く思われてはおらんでなぁ。余り目立って関わらんようにしてるんじゃよ」
アオイ
「ふーん?聖都を守ってんのに?」
ホームズ
「色々あるんじゃよ。さぁ、人目に着く前にお帰りな」ニコ
なんとなく不服げなアオイの頭を撫でながらホームズは「またおいで」と微笑みながらあやした。
その言葉に嬉々としてアオイはホームズに手を振るとシグレを追って屋根に上がり宵闇に静かに溶けていった。
ホームズ
「…世界の希望、か。悪いが試させてもらうぞボルドー」
ふたりが溶け込んで往った闇を見ながら呟くとひとつ息を吐いて月を見上げる。
おぬしがその命と引き換えに届けた希望、確かに受け取った。
後はわしに任せ、おぬしはゆるりと休めよ。
ホームズ
「…さて。友から引き継いだ大役じゃ。気を引き締めねばな」
強い眼差しで再び月を見やり、ホームズは木戸を閉めてやり残した仕事を再開した。
微笑むヒト_終
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