微笑むヒトー004
友を救えなかった悲しみが顔に影を作る。そして、友の願いに最後まで目を通すと静かに手帳を閉じた。
ホームズ
「…ボルドーの頼みじゃ。出来る限りの手は貸そう。力になるかは判らないがな」
シグレ
「…オズワードとルイズは師団に入れようとしてる」
ホームズ
「その様じゃな。しかし、その子は"忌み子"じゃ。この手帳をボルドー本人の物と証明は出来ても内容を納得させるのは容易ではない。オズワードは何か考えがあるのか?」
シグレ
「無いからアンタに丸投げなんじゃねぇの」
ホームズ
「だよなぁ」クスクス
アオイ
「いみごってなんだ?」
今まで黙って見ていたアオイが訊く。
ホームズ
「忌み子とは普通とは違う者の総称。お前さんは障壁の外で生きてきた未知の者、という意味での忌み子じゃな」
アオイ
「ふーん?んでどーやったらオレは障壁の中で暮らせんだ?」カクリ
シグレ
「それを今話してんだろう。莫迦が」チッ
ホームズ
「ふふ。今オズワードに返事を書く。少し待っておれよ」
そう言ってホームズは笑むと机に向かった。手紙を書き上げるとシグレにボルドーの手帳と共に渡した。
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