ヒトを想うー003

ルイズ
「キミは確か」

片足の師団員
「森の中で女の子に助けてもらった…。お礼を言いたかったんですけど…」ザンネン…

アオイ
(あ、アイツ)

師団員
「すまない。オレの見間違いだったみたいだ。オズワード様も申し訳ありません」


 仲間に支えられてオズワードの部屋を訪ねたのはアオイが森で助けた片足の師団員だった。

 彼は残念そうな顔をすると踵を返そうとする。


アオイ
「いるぞ」ヒョコ

シュロット
「!」

オズワード
「Σ!」



片足の師団員
「あ…!」

アオイ
「けど礼を言われる覚えは無いな」カクリ

片足の師団員
「え!?で、でもっ」

アオイ
「オマエがそこにいることを選んだんだろ?」

片足の師団員
「!」

アオイ
「オマエがあきらめなかったからオレが間に合ったんだ。オレはオマエに呼ばれただけだよ」ニカッ

片足の師団員
「あ、ありがとうございます…っ」

アオイ
「だから…。もう寝ろよ傷の治りが遅くなるぞ?」


 ありがとうございます…!、と涙で詰まった声で精一杯伝えた片足の師団員はまた仲間支えられて戻って行った。去り際、何度も何度も礼を言いながら。

 部屋を出る時、オズワードは二人の師団員に念入りに釘を刺した。決して今見聞きした事は口外してはならないと―。



アオイ
「元気そうだったなアイツ」

シュロット
「命あればこそ、ですね」
 


[ 192/199 ]

|

し お り を 挟 む

ぺ ー ジ 一 覧 に 戻 る

C h a P t e R に 戻 る


←Novel

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -