魔装警師団ー004
シグレ
(あの時の幻…奴に引かれる感覚…)
あの声…初めて聞いたはず。
だが、一瞬"懐かしい"と感じた―。
幻も。どうして知らないモノを知ってる…あの感覚はまるで自分の経験のようだった…。
シグレ
(…わからねぇ…)
茜色に来訪者の後ろ姿が重なる不吉な絵が頭に浮かんで焼き付きシグレは苦い顔をした。
ただただ沈黙の満たす部屋にノックの音が響く。
シュロット
「…失礼します。簡易報告に参りました」
静かに戸を開けるシュロットにオズワードは顔を上げ緊張した。
オズワード
「…頼む、と…ルイズ君は?」
シュロット
「ルイズ様は現場を確認された後、所用があるとの事で私が先に戻りました」
オズワード
「……そうか。では」
はい、と頷いてシュロットはテーブルのオズワードの正面に立った。
シュロット
「…場所はシグレ様の言われた通り障壁門を西に進んだ、ちょうどルイズ様の居られた第二班が報告した"見知らぬ少女に助けられた場所"と一致しました」
オズワード
「!」
シュロット
「焼け跡は火元が点在し広範囲に広がっており、焦げた草木の状況からかなりの高温であると推測されます。また、詳しい事はまた現地へ調査しに参りますが」
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