少女と手帳ー004

 聖都をぐるりと覆う障壁。ヤミの侵攻を防ぐ為に魔装師協会が張り巡らせたものであるが、動くもの総てに反応してしまう為に協会が各師団員に配布する"あるもの"がなければ通常は障壁を越える事はほぼ不可能なのだ。

 もちろん少女は聖都の住人でなければ当然師団員でもないのであるものなんて持っていない。

 懐を探った少女は「これ」と懐刀を差し出した。


シグレ
「…」

ルイズ
「? 見たことない形状の武器だねぇ??」ンン?

少女
「これで障壁突き破ってきた」ニカッ

オズワード・ルイズ
『Σ!?』

シグレ
「は?」

少女
「今日は新月だからな。障壁ぺらっぺらなんだよ」



ガタン…ッ!!



オズワード
「? ルイズ?」

ルイズ
「っどうしてそれを…!」

少女
「? どーしてって…見りゃわかんだろ??スケスケになってんもん」キョトン

オズワード
「何の話だい???」

シグレ
「…」



こいつ…。


障壁が"視えてる"のか…。



ルイズ
(…この子は一体…あの障壁は確かに"月の満ち欠け"に影響される…だから協会の魔装師が常に一定の魔力調整をしているのに…その隙を突いた…?)

少女
「まぁそれはどーでもいーんだけど」バッサリ

ルイズ
「Σ!!」ガンッ



ちょぉっ!!僕には大問題なんだけどぉっ!?;;;
(↑協会の正魔装師)



少女
「オマエ、字読めるだろ?オレ読めなくてさ…」ゴソゴソ

オズワード
「あ、あぁ。昼間言っていた頼み事の事かな?」

少女
「うん」
 


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