下書き@@
男が木戸から離れる気配がするとアルが猫の声真似をした。
ヤオ
「さぁ、早くおいで。ジジイはひとりで退屈しているのだ。話し相手になっておくれよ」
アル
「…降りるぞ。付いて来い」コソ…
アオイ
「??あぁ」コクリ
身軽く開けられている木戸にアルが飛び込むとアオイも同じように部屋に飛び込んだ。
香の匂いのする部屋。
飛び込んだ姿勢のまま辺りをきょろきょろしていると上から声が降ってきた。
穏やかに微笑む老人。
ヤオ
「今夜は随分と愛らしい連れが一緒だなぁ。なぁ?アルや」ニコニコ
アル
「…オズワードから手紙を預かってる」
ヤオ
「どれ。預かろう」
アオイ
「おまえがヤオ?」
ヤオ
「ん。そうじゃよ」
ヤオはまたにこりと微笑むとオズワードの手紙へと視線を落とす。
ヤオ
「…用件は分かった。アオイ、じゃの?父親からの手紙を見せて貰えるかな?」
アオイ
「あぁ、これ」
ヤオ
「うむ。立ち話もなんだ。ふたりともこっち来て座りなさい」
ヤオに手招きされるままソファーへと座る。
正面に座ったヤオは険しい顔で手紙に目を通していた。
ヤオ
「…ボー(ボルドー)は生きていたのか…助けてやれなんだなぁ…済まないなぁ…」
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