規格外少女ー005
アオイ
「うっとうしい奴らだ」
男
「え?」
アオイ
「綺麗じゃないけど我慢しろよ」
男
「へ?…ッ!!!?」
アオイ
「止血しねーと。血の臭いにつられて集まってくるから。…よし」ギュッ
男
「!痛ッ…!!」
男の失った足、右足の腿の付け根からばっつりと喰われた足に自分の髪を結っていた紐できつく縛る。
呆然とする男をほっぽり、アオイは周囲に気を巡らす。
やがて男を背負うと木を飛び降り、木々の枝から枝へと飛び移りながら風が吹き抜けるように森を駆け出した。
男
「Σうわぁぁぁッ!!?;;;;」ギャァァァァッ;;;
アオイ
「…しっかり掴まってろ」
やはり血の臭いを嗅ぎつけて次々とヤミが集まりだしている。
しかしアオイの速さに追い付ける者は無く、後をゾロゾロと数を増やしながら付いて来るだけだった。
アオイ
「おい」
男
「は、はひ…||||」
アオイ
「あれ、お前の仲間か?」
男
「!!あ!!あぁ!!そうだ!!!」
アオイ
「そうか」
先を走る隊列。こちらもヤミに追われていた。
アオイは一台の荷馬車に狙いを付けて思い切り飛びかかる。
ダンッ!!!
警師団員
「!!!なんだ!?追い付かれたのか!?」
アオイ
「これでお前帰れるか?」
男
「あ、あぁ!!助かった…!!」
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