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 シグレ怪訝な顔をしながらシュロット見やる。視線に気付いたシュロットはただシグレを見返す。


シグレ
「しょうがねぇ。本隊に合流するぞ」

蒼依
「賢明だ。本部に戻るまで俺ァ廓に帰る。着いたらまた呼べよォ」ンジャ

シグレ
「…」

シュロット
「…戻りましょう。先程のウロと呼ばれたヤミの気配が増えながら近付いています」

シグレ
「…てめぇのそのふざけたアイテムのせいじゃねぇのか」

シュロット
「…かもしれません。喰え水銀竜」


 シュロットはごそごそと胸当ての中から手のひらサイズの銅製の薄い円盤を取り出すと水銀竜に差し出し、水銀竜はそれをバリバリと音を立てながら喰った。


 さて、と遊撃班とシュロットはウロを撒きながら本隊の元へと向かった。


▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



【???】


???
「…虚が現れたな。覚醒した鬼は蒼白焔のみ…少し、手荒に事を起こさないと闇黒(あんこく)と赤紫(せきし)は起きそうにない、か。どうしたものでしょう。ねぇ、姉上」クスリ


 テーブルに置かれた銀の器。それを聖水で満たして人為的に水鏡を作り出し、頬杖を付いて覗き込む男。

 細指でつと器の縁をなぞると静かに席を立ち、器の水を床に零した。


???
「さぁどうやって鬼を起こそうか。次手の駒は師団長か時期導師か…まぁ、どちらにせよ無傷で得られる物など有りはしない」
 


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