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故に傷付ければ傷付ける程化け物の傷は癒え、元通り以上の攻撃力防御力へと強くなっていく。
しかし、不思議な事にヤミが嫌がる水に触れた部分は強い酸に触れたかのように激しく溶け回復する事も無かった。
シュロットはシグレが化け物を引き付けると剣を体の正面に、まるで敬礼をするように真っ直ぐ構える。
シュロット
「魔装《水銀竜(マーキュリードラゴン)》。…うまく避けて下さいね。シグレ様」
シグレ
「は?」
シュロット
「飛翔(と)べ」
手にした剣を空中に軽く放る。すると剣はぐにゃりと歪んで質量を増し一匹の竜へと姿を変え化け物へと向かった。
化け物は標的をシグレから竜へと変え迎え撃つ。
化け物を喰い千切り、鋭い爪で切り裂く。見る間に化け物は小さくなっていくが竜が攻撃をするたびに太い鞭のような尻尾がブン回されて危うくシグレはビンタされそうになった。
シグレ
「てめぇ飼い主ならきちんとしつけろよ」チッ
シュロット
「なかなか扱いが難しいんです。これが精一杯ですよ」
蒼依
「十二分だ!後は任せなァッ!!」ヒャハッ
シグレ
「蒼白焔の蒼依」
シュロット
「ひとまずの役目は終了ですね」
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