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アオイ
「とーして…とめる…」
かちん…。
アオイ
「!こうか。なんか動きづれーな?」
シグレ
「慣れろ。それが無ぇと帰れなくなる」
アオイ
「気になる…」ウー…
胸当てを装備してジャケットを着る。慣れない上に新品の革の胸当ては硬くごわごわして気持ち悪かった。
そして討伐部隊と遊撃班はオズワードの号令で一斉に障壁門を抜けていく。森に入るとすぐに討伐部隊と別れて遊撃班は真っ直ぐ森の奥へと向かう。
シグレ
「…?やけにヤミの集まりが早いな」
アオイ
「だな?この辺りは前からいっぱい居たけど…変だな」
シグレ
「………。とりあえず先に寝床を探すか。今回はてめぇが居るから。いつもの場所だと狭ぇ」
アオイ
「あ、じゃあこっちにいいとこあんぞ?」
シグレ
「…案内しろ」
アオイ
「はーい。シグレ、オレのあとついて来られるよな?」
シグレ
「ナメんな」
アオイ
「うん。じゃあこっち!」
そう言ってぴょんぴょんと木々の枝を跳び移るアオイ。シグレも同じようにぴょんぴょんと付いて行く。
やがて開けた場所に出る。そこは苔むした湿地。澄んだ水たまりがあちらこちらに点在し、その中のひときわ大きな水たまり、というよりは池という表現が合っているが。その池の所々に浮島が浮いている。
シシの姿のカミサマが居そうな雰囲気。
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