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アオイ
「……」グー…

シグレ
「…」


 アオイが何の前触れも無く夢の世界に旅立ってシグレの肩に頭をもたれ掛からせる。

 このガキ、と殺意を込めて睨み付け、立ち上がろうと腰を浮かすとアオイの手がしっかりとシグレの腕を掴んだ。


 引き剥がせない。尋常じゃない力で掴まれた。


シグレ
「このクソ力が…ッ!!!」ギュウゥゥゥ…ッ!!!

アオイ
「…ボス〜…どこいくの〜…?……オレもいく〜…」ムニャムニャ…



だからボスって誰だよッ。


てめぇのボスはオズワードだろうがッ。



シグレ
「何でこいつこんな力強ぇんだよ…ッ。剥がれやしねぇッ」イライライライライラッ



《決まってらァね!そりゃァ此奴が鬼だからよォ!》カッカッカッ



シグレ
「!誰だてめぇ…ッ」


 ふたりだけの部屋に響く声。


 否。


 声はシグレの頭の中に直接響いていた。


蒼依
《寂しいねェ。忘れちまったのかェ?この間会ったばかりだぜェ?俺ァ蒼白焔の蒼依だよ》

シグレ
「ソウハクエンノアオイ!?どこに居る!?」

蒼依
《鬼廓。アオイから聞いたろう?》

シグレ
「!?嘘をつくな」

蒼依
「嘘なんざァ吐いちゃいねェよォ。お前は俺の氣に惹かれちまってんだ。だからお前の鬼が覚醒してねェのに廓に居る俺と会話しちまってる」
 


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