壊れる常識ー004

【障壁門】


 音も無く駆けるシグレがオズワードの隣に並び、その鳩尾に"一発"見舞うと魔警団のコートを着た見知らぬ来訪者と向き合った。


来訪者
「…? 誰、オマエ」カクリ

シグレ
「…それはこっちの台詞だ。莫迦、が… ?」ピクッ



―…ヲ 命ズ…。



 来訪者と対峙した途端シグレは突き抜けるような頭痛に襲われ、頭の中に酷く不鮮明な映像が流れた。



―…ク モ……イ、モモ……シ、レ…モ…ヅ キ…カ…リ…。



シグレ
「…っ!?」

来訪者
「?」キョトン



 見たこともない異国の装束―

 棒切れを持ち何かを話す男―

 その背後に控え立つ女とふたりの男―

 話す男の正面で片膝を付き畏まる三人の、多分少年少女―

 それを見ている数人の人影―



オズワード
「? シグレ?大丈夫かい?」

ルイズ
「シグレくん?」

シグレ
「…っ誰だてめぇ…っ」ギリ…ッ

来訪者
「? どこ見てんの?オマエ」


 シグレは正面の来訪者のすぐ後ろ、何も無い空間を睨み付けて問うた。




―…ソナ タ…ラニ……タ…ス…ナラ…ズ ナ……ゲ…。



 息の上がる、苦しい胸を掴み、依然睨むシグレの前にソレは現れた。はっきりとしない姿は牙の覗く口元だけで嗤う。
 


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