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シグレ
「な…んだ…これ…」
アオイ
「"籠目"。これで閉じ込めてんだって」
シグレ
「………」
シグレの腹、蒼依が殴った鳩尾の部分に白い紋様、六芒星が肌の内側で淡く光っている。
アオイ
「で、こっからがマジメの大事な話」
シグレ
「…!」
アオイ
「シロのこの籠目は3日しか保たないんだ。籠目が消えるとオマエはまた鬼に呑まれちまう。だからオマエは3日経つ前に鬼を自分で押さえつけなきゃなんねーの」
シグレ
「は?」
アオイ
「タイミング的にはちょうどいいらしいんだってよ?」
シグレ
「おい」
アオイ
「明日はオズワードたちとヤミの掃討作戦があるからな。だから」
シグレ
「おいッ!」
アオイ
「!」ビクッ
シグレ
「とりあえず本部に戻るぞ」
アオイ
「?うん。わかった」ドキドキ…
シグレ
「俺がオズワードに適当に嘘をつくからお前はそれに適当に合わせろ。わかったな」
アオイ
「わかった」コクリ
どうしたんだ?急に…。
びっくりした…。
まだ腹の痛むシグレはひとつ深呼吸をして息を整えると建物を出た。
シグレ
「…第十三居住区画…?」
アオイ
「ここ人居ねぇから。まだシグレが鬼だって知られないほうがいいだろうって」
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