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シグレ
「―…」グルルル…ッ
蒼依
「あーァ〜。見事に呑まれてんなァ。こりゃァ強めに行かねェと駄目か、ねェッ!!!」セイッ
ズンッ!!!
シグレ
「―…っ!」カハッ
蒼依
「…あ、しまった…身体は人間の儘だった…」
鳩尾に思い切り拳をめり込ませる蒼依。入れてしまった後でシグレがまだ鬼神解放していない事を思い出す。
シグレは吐血して倒れた。
蒼依
「………。まァ今のが初めてじゃねェし。大丈夫だろ」ウン
自分に言い聞かせながら蒼依は懐刀の柄の底を外すと、中から赤い小さな丸薬を取り出して気絶しているシグレの口に放り込んだ。
そしてその口にだばだばと水を入れて体を揺すって流し込ませる。
すると程なくしてシグレの体から紋様が消えた。
蒼依
「おし。後はお前に任せんぞォ?アオイ。シグレが目ェ覚ますまで此処に居ろよォ。そんで今から言う事を伝えろ」
アオイ
《わかった》
蒼依
「んじゃァ。入れ替わんぞ…」
ふっ…。
アオイ
「…よし。シグレになに言えばいーいんだ?」
蒼依
《こう言え…》
数時間後―…。
シグレ
「……。っ…!?」
アオイ
「……」クー…
シグレ
「?どこだ…ここ…」
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