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ロゼはもう泣いていた。昔っから泣き虫なのだ。鼻もほっぺも赤くなっている。一方のルズは頬を指でかきながら照れ笑いをした。
ルズ
「オレ、オヤジが魔警団東部支部の団員でさ。昔っから厳しくて、騎士道とは的なのをずっと教えられてて…。ズルいヤツになりたくなかったんだ」
ロゼ
「…?」ズルイ…?
ルズ
「"アオイとロゼ"が嫌な想いしてんのに見ないフリして、自分さえ良ければとかイヤだから。それに、これから4年間同じクラスの同じ班って事は仲間だろ?仲間は大事にしなくちゃ」
ロゼ
「…!!」
アオイ
「なら!オレも頑張らなくっちゃな!」
ロゼ
「!?」
アオイ
「オレはオレの大事なヤツら泣かすヤツ大っ嫌いだ!だから、全員キッチリぶっ飛ばす!そんで!ロゼにあやまらせる!」ニカッ
イオリ
「お、俺!!俺も出来る事探す!!」
ロゼ
「…っ」
ロゼは顔をくしゃくしゃにしてわんわん泣いた。アオイは泣きじゃくるロゼにパニクって、ルズとイオリはそんなふたりを見てしょうがないなぁと笑った。
そしてこの日からアオイとロゼに対する嫌がらせはパタリと無くなった。
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