095

 ある日の修錬所。

 大講堂の掲示板の前で大勢の修錬生がざわついていた。


修錬生@
「マジかこれ…」

修錬生A
「わっかんね。でもマジだったら公式ルールであの"バケモノ"をボコれるってコトだよな…」


 修錬生達が見ているの一枚の張り紙だった。



―――――――――――――――――


《アオイ・ベルジュ修錬生について》


 上記修錬生及び班員について修錬所内で目に余る嫌がらせをされているとの報告あり。

 ついては、嫌がらせをしている修錬生に忠告する。

 いかなる理由があれど修錬所内での陰の行為は総て罰の対象であり、減点及び特別講義の受講、程度によっては留年・退学の措置を執る。

 理解納得の行かない修錬生については10日後開催予定の武芸会に参加し、公衆の面前にて正々堂々と挑むよう。


修錬所所長 ファン・ドール


―――――――――――――――――


ロゼ
「…武芸会で…アオイさんに挑む…?」

イオリ
「ルズ、これって…」


 ルズはロゼを見て少し困ったように笑った。


 さかのぼる事2日前の夜―。


【修錬所:教官宿舎】


リベルタ
「…で。ベルジュとハミルトンに対する嫌がらせを止めさせろと?」


 消灯時間の過ぎた教官宿舎に居たのはルズ・ミコジだった。魔装警師団での武芸会の話の折、彼はあることを思い付き許可を貰いに来たのだ。
 


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