はじまりー007

 屋上を後にした京也は自分の教室へと戻り、生徒会の準備をする。ふと気配を感じて顔を上げれば戸口に呆れ顔の美鈴が立っていた。


美鈴
「変態」

京也
「なんとでも。というかのぞき見ていた奴に言われたくないな」

美鈴
「…事が全て上手くいくとは限らないのよ?」


 美鈴の言葉に京也はくっと喉で短く笑い。口元を歪めた。


京也
「いくさ」

美鈴
「……そ。ま、精々私を巻き込まないでよ」

京也
「それは約束できないな」

美鈴
「出来なければ降りるわ」


 京也に背を向けさっさと出て行く美鈴。その背中を見送りながら誰に言うでもなく、京也は口にした。




京也
「ゲームスタート」クス




お前は俺を追ってこの学園に入学した。


どこまで頑張れるかな。


それとも―


どれだけキスを"させてくれるかな"―



京也
「…あれだけ必死になって追い掛けて来たんだ。少しは期待しても、自惚れてもいいのかな…湊人」


 そう言って鞄を肩に掛けると京也は生徒会へと向かって行った。


 口元に手をあて湊人を思い出しながら、込み上げる嬉しさを隠しながら、噛み締めながら。



はじまり。。。終

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