下書き@@ー007
湊人はまず小さい。153cmしかない。そしてフィンランド人である祖母の血が隔世遺伝で強く現れた容姿はビスクドール(陶磁器人形)のようで、ハニーゴールドのミディアムショートヘア、透明感のある白い肌。ガラス玉のような瞳はダークグレイにブルートパーズを散らしたような不思議な色をしている。
この瞳がぱっと見では少し色素が薄いだけにしか見えず「お前髪染めてんだろ」と呼び出される原因のひとつになっていた。
そして両の耳に開けられた無数のピアスは両親に開けられたもの。デザイナーをしている両親があちこちの国へ行く度に気に入ったデザインのピアスや装飾品を見つけては湊人に着けさせているのである。
湊人の成績は体育以外全滅。美鈴の勧めで図書委員をやっている。取り柄は誰とでも仲良くなれる事(一部を除く)、家事全般が得意な事。
長い長い風紀委員の拘束が解けてよろけながら教室へと戻る湊人。
京也
「お疲れ様」
湊人
「! 京也。次移動?」
京也
「うん。自習室で自習だって」
湊人
「そっか…」
京也
「元気無いね。あと二時間だけだから頑張ろうね」
そう言って微笑む京也に生徒指導員に言葉が通じない件やら苛立ちやらはどこかへと飛んでいった。
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