下書き@@ー005
美鈴
「……。また覗き見?」
京也
「もう居る事バレてんだ。覗き見とは言わねーだろ」
美鈴
「途中参加して来ないでよ」
京也
「するかよ。そんな事したらせっかく時間掛けて作った"キャラ"が無駄になる」モッタイネェ
こいつの本性ぶちまけてぇ、と内心舌を打った美鈴は弁当箱を片付け出した。
美鈴
(あの性格じゃあせっかくのイケヅラが泣くわね。まぁ、他人なんで眼中に無いでしょうけど)
屋上に寝転がる男子生徒【直江 京也】。
容姿端麗、文武両道、そして旧家の後継ぎと三拍子揃えて生まれてきた絵に描いたような生徒である。
赤くなるだけで日焼けをしない雪肌(本人は焼きたいらしい)、まるで歌舞伎の女形役者のような艶っぽい目元と口元、そして184cmという身長。現在は剣道部と生徒会に所属していて次期主将、次期生徒会長の呼び声高いスーパー男子高校生なのだ。
実際は腹黒ドSで湊人以外は視界に入らない残念な性格をしている…。
そんな京也から離れて屋上の柵にもたれて景色を眺める女子生徒【御祓如 美鈴】。まず2000%名前を正しく読まれないし、覚えてもらえない。
御祓如は直江の遠縁の親戚で、美鈴の両親は京也の両親と親しかった事もあり直江の屋敷近くに暮らしていた。そのために美鈴と京也は兄妹のように育った仲だった。
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