下書き@@ー003

 じゃあ行こっか、と言ってしょぼくれ金髪改め柴犬金髪と並んで歩き出す。テンション急上昇で力作の今日の昼食の話をする柴犬金髪に、こちらも毎度毎度の陰口が届く。


―どうしてあんな成績不良な奴が直江京也なんかと。

―学年一の秀才に相応しくない。

―不釣り合いだ。


 ひとつ言葉を投げられる度に柴犬金髪は背を丸めて俯き、弁当箱を両手で抱き締める。そんな小さな背中に手を添えると京也は不安げに見上げる柴犬金髪に笑みを向けた。


柴犬金髪
「…京也…」

京也
「気にすることないよ。湊人の頑張りは俺が知ってるから」


 ね?、と髪を撫でる京也に柴犬金髪こと湊人は涙目で顔を真っ赤にしながら子供扱いすんなと抗議をする。


「ちょっと。そんな人目のある所でイチャつかないでよ」


湊人
「Σなっ!?///イチャついてねーし!!///」ガンッ


 ぷんすこする湊人を階段の上から見下ろすひとりの女子生徒。呆れ顔でブレザーのポケットから鍵を取り出すと後ろの戸を開けてさっさと出て行ってしまった。

 このーっと追い掛けた先は屋上。

 湊人、京也、そしていかにも秀才そうな出で立ちの女子生徒、御祓如 美鈴(やごうら みすず)の三人は物心つく前からの付き合いの幼馴染みでいつもなんとなく一緒に居る。
 


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