※微裏/ガゼバン
「あ、もう昼か…ガゼル、俺お昼の材料かってくっからテーブルの上かたづけとけよ!!」
「なんで私が…めんどくさい。」
むかっ
「じゃあお前がご飯作れよな」
ガゼルと目があって3秒。
アイツはいそいそとテーブルを片付け始めた。
「よし!じゃあ俺行ってくっからな!!ちなみにメニューはお前の大好きなハンバーグだ。」
にかっと笑ってみせた。そしたらガゼルも
嬉しそうに頷く。
そしてバーンは出ていった。
…………………………………………
しん、と静かになったリビングで
テーブルをふく準備をする。
ああ言われては仕方ない。何しろ私は料理というものが全く理解出来ない。
とおもいつつふと、バーンの飲みかけのコーヒーが入ったカップに目をやる。
「これは確か−…」
ヒートがバーンにプレゼントしたやつだ、プロミネンスのキャプテンおめでと…って。
あぁ、あのときのバーンの顔、真っ赤だったな、
バーンの気持ちなんか、気がつきたくなかったのに−…
段々とそのカップを見ていると黒い感情が頭を侵食してきた
ガシガシと頭をかく。
この感情は…… 嫉 妬 ?
嫉妬、という2文字が頭に浮かんだとき、ガゼルのなかで何かが壊れた
「−…ッ、そんなことが…っ!!」
−…ガシャンっ
斬れた音が響き、ガラスの破片と共に飲みかけのコーヒーが飛び散った。
「……………」
ガゼルは無様に割れたカップを無心に見下ろしている
ガゼルのなかに、「後悔」や「反省」などの感情は微塵も無かった。
…………………………………………
ガチャ、
ただいま−って…
「あああああーーッ!!!おいガゼル!!!」
「てめぇ、俺のマグカップ、割っちまったのか?!…………っぇ??」
よくみるとガゼルの右手から少量の血が流れていた
これはかなりの衝撃じゃないとつかない傷だ。それに破片とコーヒーは壁にぶつかった跡がある。
これはどう見てもわざとにしか見えない
「お前…わざとやりやがったな…??」
「…………。」
「-…ッ、なにか言ったらどうだ、あぁ?!ダイヤモンドダストのガゼル様よぉ」
「……出しっぱなしにする貴様が悪い。」
「は…?」
カッチーン。
完全にキレ
た。
「てめえ!!ふざけんじゃねーぞ!!あれはただのカップじゃねーんだよ!!!!
あれは−…あれは…っ」
「ヒートから貰った奴だろう」
「おまっ…知って……」
「私が知らないとでも思ったか、馬鹿が。」
「ふざっけんじゃねぇ−!!!!!だったら尚更だろうが…ッ」
元々キレやすいバーンだ。今の怒りは半端ないだろう。
「てめーなんかだいっきらいだ!!!もう顔もみたくねえっっ死んじま−…ッふ?!」
瞬間、ガゼルの唇が俺のと重なった−
「ん…ふッガゼ…」
必死に離れようとしたらガゼルの腕で頭を抑えつけられてしまい、揚句、舌が侵食してきた。
「んあ…っ、うッ…く、はぁ」
ぴちゃぴちゃ、じゅく…
と、お互いの舌が絡み合う卑猥な音が嫌でも耳に響く。
「ふっ…激怒している君を黙らせることはたやすいな。」
「…ッてめ、いきなり何すンだよ!!気持ち悪…ッう??! 」
バーンが口を開く度に入ってくるガゼルの舌。
今度はそう簡単には離してくれず、バーンの口からは唾液が滴る。
「ふふ…苦しかったか??だがお前は苦しいのが好きだろう??……この淫乱が。」
「ふ…ふざけんじゃ、ね…はぁっ……誰が淫ら…」
そのとき、ガゼルが馬乗り状態になり、膝でバーンのモノに食い込ませた。
「−ッひやっ…ッく、」
真っ赤なバーンの耳元でガゼルがそっと一言囁く。
「この……童貞が。」
(お前は私だけを見ていればいい。)