「…石丸くん」
「石丸じゃねえ!オレはオレだぁぁっ!」
「…うーん」

兄弟、と仲良くわいわいしていた大和田くんがおしおきされて死んでしまってからというもの、石丸くんは目が死んでいたし、話しかけても一言も喋らなかった。わたしや苗木くんが話しかけてもその場に姿勢良く立っているだけだった。そんな石丸くんが、またおかしくなってしまった。不二咲くんが残してくれたアルターエゴによってプログラミングされた大和田くんがでてきて、えーと…難しいけど、とにかく大和田くんの言葉を聞いて石丸くんはなんか白くなった。某ゲーム風に言うとフォルムチェンジした。それからは脱衣所からうおーっ!と言いながらまっすぐ走っていって、苗木くんは元気になったならいい、かな?と言っていたけど。

「石丸くんじゃないっていうなら、一体何なの?」
「そうだなぁ…石丸と大和田で、石田ってとこか」
「勝手に合体しちゃうんだ…。石田くん」
「勝手じゃねぇ!オレは兄弟とひとつだ!オレと兄弟は一心同体なんだぁあ!」
「…でも、大和田くんは」
「兄弟はオレの心で生き続けてるんだ!!」

石丸くん、改め石田くんは大和田くんが死んでしまったことを受け入れているものの、大和田くんのことを背負って行くつもりなのだろうか。…なんだか、嫌な予感がした。この嫌な予感がただの勘違いでありますように。

「アルターエゴが、盗まれたわ」

あの霧切さんが少し焦っている。私たちの唯一の手掛かりが消えてしまった。それに、石田くんが 黙っていなかった。少しずれているけど石田くんは大和田くんを、山田くんはアルターエゴを取り合っている。せっかく状態が明るくなってきたと思ったのに、やっぱりこうなる。

「くそ、気に食わねぇな!兄弟、くそっ」
「でも、大和田くんとは一心同体なんでしょ?そんなに気にしなくても」
「ち、ちげぇ!確かに兄弟とは一心同体だっ!で、でも、でも、」
「…形がないと、不安?」
「ちげぇんだ!!そんなんじゃねえ!オレと兄弟は、一心同体で、形なんかなくてもオレは、オレは」
「石田くん、すごい汗だよ、落ち着いて」
「違う違う!!兄弟はかっこよくて、男の中の男で、オレの親友だ!オレは兄弟を一番分かってる、兄弟のこと、」

そういうと石田くんはう、うぅとうめきながら崩れ落ちた。わたしが声をかけても兄弟、兄弟ぃぃ、違うんだあ、ぁあと泣いて自分の体を抱きしめるだけだった。石田くんは、石丸くんは自分をせめるような泣き方をする。ああ、なんだか無性に泣きたくなる。
______

 エンドロールは終わらないの空ちゃんから、相互記念にもらいました...!!うあああ石田くんんんん!!!
ネタを提供させていただいたのですが、まさかこんな風にくるとは...!不意打ちで梓瑞のお腹はいっぱいです(^ω^)
相互ありがとうございました!

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