「名前、今日って何の日だと思う?」
「...はぁ、え?今日...?」
やけに目を爛々と輝かせている狛枝には悪いけど...何かの記念日だったっけ?あ、不機嫌になりやがったコイツ...!狛枝の機嫌直すの難しいのに...!
「...ほんとにわからないの?」
「なんでそんな泣きそうな顔すんのよ」
「っだって!今日はボクの「誕生日、でしょ?」...え、」
わざと知らないフリをしたのに気付かなかったらしい狛枝は、キョトンとした顔で見つめてくる。いつもならこんな嘘、すぐ見抜くのになぁ...ていうか、何年一緒に行動してると思ってるんだコイツは!!いや、まあまだ2年しか一緒にいないけど!クラスメイトが自分の誕生日知らないとでも思ってたのか...
「...知ってたの?」
「ええもちのろんですけど」
「...去年は、何も言ってくれなかったじゃないか」
「その時まだわたしとみんなの間には自分のコミュニケーション能力の不足という分厚い壁があったから仕方なかったんだよ狛枝!」
「そういえば...あの時はおとなしいっていうイメージがあったなぁ...なつかしいや...!今じゃコレだもんね!!」
「ちょっとどういう意味なの」
「あははは!」
「おめでとう狛枝。はいこれプレゼント」
「...いつから持ってたの?」
「何言ってんの最初っからだよ!手品師じゃあるまいし...!」
やっと笑ったなーと思って渡してみると、これまた予想外。今日はとことん気付かないな...あとで悪戯してみようかな......と思ったけどやめとこう。こういう時に限って勘が鋭いっていうことは、この2年間で嫌というほど見てきた。易々と狛枝の餌食になるくらいバカじゃないよ!
「こんなに綺麗にラッピング...!名前ってやれば出来るんだね!」
「だからどういう意味だ!」
「名前、ありがとう!」
笑顔が素敵ね
(狛枝の本当の笑顔を)
(一瞬見れた気がした)
*お誕生日おめでとう!
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