※Chapter6のネタバレ含みます。クリアしてない方は回れ右推奨
『き、消え...る...?』
「っ日向くん...!」
だんだんと顔が蒼白になっていく日向くんを、画面越しに見つめる。
新世界プログラムに入れる人数はあと3人だったけど、その席は苗木くんと霧切ちゃんと十神くんにことごとく奪われてしまった。
「もう...!席譲ってあげたんだからちゃんとやってよね!」
「苗字っち、画面に向かって叫んでもあの3人には聞こえな」
「ちょっと黙っててくんないかな...?葉隠くん」
「っひ」
毎日画面を見つめて身に付いた、西園寺さんの顔技。いつの間にか習得していたものがこんなところで役に立つだなんて思ってもみなかったし。
毒舌は使えないんだけどね。
『...うわああああああああああああああッ!』
「うわあああああああ?!」
突然聞こえてきた叫びに驚いて自分も叫んでしまった。恥ずかしい。
『ひ、日向さん...!?』
『い、今のが...俺なのか...?』
この様子からして自分の姿を...アレを思い出したのであろうと推測する。ふと、日向くんの入っているケースを見つめた。
若干透明なそのケースから見える容姿は、今画面に映っている人物と結び付かないほどにかけ離れている。
「...戻ってこれるのかなあ」
「っおい苗字っち!!皆が...!」
「えっ」
彼の入っているケースから離れ画面に視線を移すと、そこには日向くん達の暗く沈んだ表情が映し出されていた。
「これが...絶望」
『...それは違うぞ!』
「...!!」
髪の毛が真っ白く染まって、目が真っ赤になった日向くんが、そこにいて。
『俺達の未来は俺達のものだ!もう誰にも渡さないぞ!』
何かを撃ち抜かれる音が、頭の片隅で鳴り響いた。
恋の足音は迫っていた
(皆お疲れさま!)
(ああ、ただいま苗字さん)
(皆も起きたし...日向くんもそろそろ起きるかな...!)
(何だコイツは。やけにそわそわしているが...)
(...ほの字だべ)
(そんなこと雰囲気で分かるわ)
(あ、告白失敗したらこの島残って成功するまで頑張るんで、よろしくね!)
((((は?))))
あれ、無印メンバーばっかり...?
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