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ニューゲーム
運よく手に入れることができた豪邸。いわくつき、らしくかなりの安価で売られていた。
いわくつき?知らん。気にせん。
よくテレビ番組で有名人の豪邸だとかお屋敷を見せ付けられる庶民の気持ちをあいつら有名人は知らないだろう。くそむかつくわあいつら。でも豪邸って思った以上に手間かかるんだね。
昨日から行っていた片付けが、今日の昼頃にようやく終了した。リビングのソファーに体を預けつつPSPを起動させる。友達からすすめられたゲームなのだが、題名的にシリーズの2つ目を思わせる。おい友人1はどこだ。そんなことをゲーム借りといて言える訳もなく、仕方なくやることにした。話全然分かんなかったら絶対友人のせいだ。ミスにも程がある。
画面に映ったタイトルを見つめ、躊躇うことなくニューゲームを選択した。
「よし、やるぞ...!」
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「...怖かった...夜に死体発見シーンやおしおきシーン見るとか超怖かった...!!」
やっぱ発見時の音楽が1番恐怖を煽った。冷や汗だばだば流れましたけど何か問題でもありますか。精神的にクるなこのゲーム...涙は出そうで出なかった。
今はちょうど日向くんが誰かの視線を感じて1章が終わったところだ。えっモノクマじゃないのと思ったけど空飛ぶモノクマなんて想像もしたくない。あと狛枝くんは1度カウンセリングを受けるか何かするべきだろう。まじキチガイだった。
そんなことを考えていると大きな物音がわたしを襲った。何かが倒れ込むような、そんな音。
夜だし怖かったシーンのせいもあってか、心臓が煩く収縮を繰り返し心拍数を重ねていく。入り口付近から起きたと思われるその音に、反応して、煩わしく感じた履いていたスリッパを脱ぎ捨て、玄関まで駆けた。ゲームの影響なのだろうか、もし人が死んでいたら、という考えが脳内を駆け巡る。新居に来て早々人が自分の家の玄関で死んでいた、なんて洒落にならない。ツルツルとしたフローリングを踏みつけ、辿り着いた玄関の扉を開けた。
と思ったが扉が何かに引っ掛かった。開けようとしてもガツガツという音を立てるだけ。なんだと。即座に嫌な予感が汗となって背筋を伝っていく。
「ちょっと一体なん、な...の」
仕方なくクロックスを履いて扉の向こうを覗きこんだ先に、人が、仰向けで、倒れていた。 それも先程液晶の向こう側で死んだ2人が。花村くんの上に十神くんが乗っかる形で。
「...生きてる?...まさか、死んでる?」
...返事がない、ただのしかばねのようだ。
日常はエピローグを告げた
(どうしよう...ご近所さんに変な目で見られても困るし)
(かといってこの2つの巨体を運べる力も無いし...)
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