リコリス

アレンは内心深く溜め息を吐いた。
目の前の忌々しい自分の師匠は何時ものことながら、昼間っから酒を浴びるように飲んでいる。そばにいるだけで気分が悪くなるので、一刻も早く立ち去りたいところだ。


「では師匠、僕はもう行きますよ」
「おぅ、さっさと失せろ」


とんでもない師匠の言葉に顔がひきつる。しかしこれ以上嫌な目には合いたくないので、踵を返した。


「あれ、アレンくん」
「あ、リナリー…と?」


軽いノックの後に顔を覗かせたのは、同じエクソシストの女の子。その隣には、見知らぬ女性がいる。瞬きが勿体ないと思わせるような、絶世の美女だ。ニコニコと優しげな笑みに見惚れていると、師匠の声がした。


「おい、バカ弟子。リナリーとどいつだ?」
「あ、」


ドアが壁になって、師匠からはリナリーと自分しかみえない。リナリーが急いで答えようとするが、その前に女性がヒョコッと顔を覗かせた。


「あらまあ、クロス!久し振りねぇ」
「……」


女性はキラキラした笑顔を更に輝かせて師匠の方へと向かう。対する師匠は無表情。いや、


「…固まってる?」
「あの人は●●●元帥。クロス元帥の師匠なの」
「っえ!?」


リコリス
(…どうしてここに…)
(久し振りに貴方の顔がみたくなってねぇ。来ちゃった、ふふ)
((し、師匠の師匠…))


なんかこの話長くなりそう(^P^)

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