ガーベラ

「こーんにちはぁ」


激しい戦いを終え、束の間の休息に身を委ねている黒の教団。その科学班の部屋に、気の抜けるような明るい声が響いた。


「っな…え、●●●元帥!?」
「あらあ、コムイちゃん!久しぶり」
「久しぶりじゃありませんよ!今まで一体…」


比較的入って日が新しい者は首をかしげ、そうでない者はこれでもかと言うほど目を見開く。開いた口が塞がらないとはこのことで、リーバーは硬直し、コムイはワナワナと震え、その人物を見つめている。


「リーバーさん、あの…あの人は?」
「…ああ、お前が知らねぇのは無理もない。あの人は●●●元帥といって、」


ニコニコと笑みを絶やさない女性の年齢はわからない。他の元帥達と同じか、それより下に見える。


「……クロス元帥の師匠だ」
「っぅええ!?」


コムイはズレた眼鏡をかけ直し、溜め息を吐いた。何年振りかにみた目の前の女性は、初めて会ったときと何も変わらない。落ち着いた柔らかい物腰も、少し漂うミステリアスな雰囲気も、その美しい容姿も。


「本当に、何処行ってたんですか。今ちょうどクロス元帥も…まさか」
「ふふ、そうなの。風の噂で帰ってることを聞いたのよぉ!あのこは何処にいるの?」


輝かんばかりの美しい笑みをそのままに、●●●は首をかしげた。


ガーベラ
(クロス元帥をあのこ呼び…)
(まあ、弟子だし…年下だしな)
(年下ァ!?)

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