今日は私、ルッスーリアの誕生日なのよ★だから今日はヴァリアーのみんなが何かしてくれるんじゃないかって、ちょっと期待してる。わくわくしながらリビングの扉を開けた。
「おはよう♪」
あら。
誰もいない。
いつもの事だけど。今日ぐらいちょっと早く起きてお祝いしてくれたっていいじゃないの。…まぁ、1日は長いから、ね。ふふ。料理担当の私は、幹部の食事の準備をする。まさか自分の誕生日にまでご飯を作らないといけないなんて。しょうがないけれど。他に料理作れる子なんて、いないじゃない?姫ちゃんは、料理しないもの。そんな事を考えながら、幹部みんなの朝食を作って、起きてくるのを待った。
「あ、ルッス。おはよう〜」
目をごしごししながら起きてくる姫ちゃんに続いて、ぞくぞくと幹部が集まってくる。でも、誰一人私の誕生日についてふれてこない。…忘れてるのかしら?!?!ちょっと乙女心に傷がついたわ。自分で言っちゃおうか、とも思ったけど、それは思いとどまった。朝食を食べ終え、リビングでまったりとしていると、あろうことかボスに
「おい、任務だ。夜までに終わらせてこい。」
って、小規模マフィア潰しの任務が与えられた。あり得ない!今日は私の誕生日の誕生日だっていうのに!そんな光景を見ても、誰もなにも言わない。
「夜までだってさ。早く行った方がよくね?ししっ」
なんて呑気なベルちゃん。これは本格的にみんな私の誕生日、知らないのね。もういいわ。何も期待しない。半分ヤケになりながら、任務へ向かった。
夜9時。
ちょっと手こずっちゃって、思ったより時間がかかってしまった。本部に帰るの、憂鬱だわ。結局みんな忘れてるなんて。はぁ。ひどいじゃない?私はみんなの誕生日、ちゃんと覚えてるわ。ああ。帰ったら、またみんなの夕食を作らないと。私がいないと、何も出来ないんだから、あの子たち。はぁ。沈んだテンションのまま、リビングの扉を開ける。
「せーのっ」
「お誕生日おめでとうー」
あら。
あら?
目の前には、美味しそうなご馳走に、幹部のみんなのクラッカー。
「忘れてる振りしてごめんね。ルッス、いつもありがとう。そしてお誕生日おめでとう!」
姫ちゃんが私に抱きついてきた。
「ししっ。おめでとさん」
「ルッスーリア、おめでとう」
「おめでとう」
「また年とんのか!もうおっさんじゃねぇかぁ。」
「軽い任務にしてやったんだ、感謝しろ」
あら…みんな…
「私ほんとに忘れられてたんじゃないかって、不安だったんだから!」
でも嬉しいわ。みんなが覚えていてくれて。
「ボスは本当に知らなかったみたいだけどね。」
「こいつは姫のしか知らねぇだろぉ゙…ぐはっ!」
スクアーロにボスの容赦ない蹴りが入った。もう、みんな相変わらず元気すぎるんだからぁ。でもそんな仲間、嫌いじゃないわ♪
Buon Compleanno★ルッス!
(何この料理…まずっ)
(あ!塩と故障間違えてる!)
(ゔぉ゙ぉい…これ全部姫が作ったんじゃねぇかぁ?)
(…ご め ん な さ い )
(おい、ルッスーリア、今から飯作れ)
(嫌よ〜もう宅配にしましょ!)
(むむ…お金かかるのかい?)
(ししっ。王子がおごってやんよ♪)
(もう何でもいいからお腹すいた…)



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