「ジャッポーネの、綱吉くんから、"桜"が贈られてきたー!」
あたしがそう声をあげると、みんながこっちを見た。
「朝ね、届いたの!」
「む…さくら…?」
「そう!日本の春に咲く綺麗な花!」
「あら〜ん、素敵ねぇ…」
「俺も日本に行った時に見た事があるが、人が滅茶苦茶集まってた記憶しかねぇぞぉ゙…」
「それはお花見ってゆーの!花を見て楽しむパーティーみたいな。」
「ジャッポーネはよくわかんねぇ。…まぁよく見たら綺麗だな」
みんな食い入るように桜を見つめている。
「ほら、こうやると可愛いよ」
あたしは花を1つ取って、ベルの髪につけてあげた。
「あら〜ベルちゃん可愛いわ♪」
「王子嬉しくねー」
「か…可愛い。」
「レヴィきも。」
「ベルよりも姫の方が似合うだろぉ?」
スクアーロが、あたしの髪に桜をつけてくれた。
「姫、可愛いよ」
「ありがと、マーモン」
「ししっ。ボスにも見せてくれば?」
「そうよ!それがいいわ」
「そうだね、行ってくる!!」
そしてあたしは今、ボスの部屋。
「これね、桜ってゆーの。」
XANXUSは書類からチラッと顔を上げ、あたしを見つめた。自分でも少し顔か赤くなるのがわかった。見られてるのが照れくさくて、思わず目を逸らす。
「それを見せにきたのか?」
「え、あ…うん。」
相変わらずあたしを見つめるXANXUS。
「ごめん、仕事の邪魔だったよね…」
いても立ってもいられなくなって、あたしが部屋を出ようとしたら、呼び止められた。
「こっち来い、」
「え、でも」
「早くしろ」
「はい。」
言われた通りにXANXUSの側に行ったら、いきなり抱き寄せられて、椅子に座るXANXUSの上に座る形になった。
「わ、ごめん」
あたしが立ち上がろうとしても、彼の逞しい腕に阻止される。XANXUSは後ろからあたしを抱きしめたまま、首に顔をうずめる。
「いい匂いだな、」
「え?桜の匂い…?」
「ちげぇ、お前の髪だ。」
一気に顔が頬が紅に染まる。
「春だよ、XANXUS。桜も見てよ。」
あたしが後ろを向くと、XANXUSはあたしの髪についている桜にキスをする。そして、あたしの髪を撫でながら、囁いた。
「こっちの方がいい」
あたしの唇は彼に奪われた。XANXUSのキスはほんのり桜の味がした。そして、カーテンがたなびく窓からは、春の匂いがした。
春の匂い

(おいベル、てめぇ頭にゴミついてるぞ)
(違う、これは桜。姫の頭にもついてるだろ!)
(っは…同じ物には見えねぇな)
(後でこっそりボスにつけてやる…)



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