「拝啓、ヴァリアー幹部姫様。この度は貴殿の配属先がイタリアから日本に変更されるにあたり、手続きを‥」


「ええぇぇぇええ?!!??!」

聞いてないっ、聞いてないって!!
い、イタリアから日本?!

日    本     !??!!

「っボス、ボス!!!!!」

「あ?」


あ?じゃないよっ!緊急事態だよ!大変!あたし泣いちゃうよ、

「落ち着け、」

ボスが少し笑いをこらえた顔をして、あたしの髪を撫でる。
いつもはこれで落ち着いていられるけど、今日はそういうわけにはいかない。

ボンゴレ本部から、配属先移転の案内がきたのだ。
案内、と言っても強制。あたしレベルの幹部が、嫌だと拒否した所で、何も変わらない。
そんなとこから、日本に配属されるってゆう通達がきたのだ。

落ち着いてなんていられない!


「イタリアから日本に移れ、だって。どうしよ、あたし。」

「日本か、」
ボスは少し意外そうな表情を一瞬見せたが、すぐにいつものボスに戻る。

「いいじゃねえか。飯は美味い。カスが多いから任務も楽だ。」

ボスは全然平気そうだけど、あたしは駄目。
任務とかそれ以前の問題がある。

「もうボスに逢えないんだよ?ボスは平気なの?」

これから来るであろうボスに逢えない日々を考えると泣きそうになった。


「一生の別れじゃねえだろ。」

呆れた顔をして、また書類に目を落とそうとするボスを見て、すごく切なくなる。
けっきょくあたしはそれだけの価値ってこと?

「やだよ、あたしは毎日ボスに逢いたい。毎日ぎゅってしたい。毎、日、‥」

涙で続きがわかんなくなる。
あー、あたしって典型的なめんどくさい女だ。
なんで、泣いてんだろ‥
そう思うけど涙はとまらない。

「ボスはいいかもしれないけど‥.あたしは、ボスと離、れるとかやだ、よ」

ボスはあたしをぎゅっと抱きしめて何も言わずに泣き止むまでそばにいてくれた。


「、ボスはあたしと離れていいの?」
肯定も否定しないボスにあたしはまた言葉を投げる。

「あたしが知らないとこで知らない人といちゃいちゃするかもしれないのに?」
少しボスが眉を顰めた。

「むこうで結婚しちゃうかも。」
ちょっと調子に乗ったあたしは思わせぶりな態度をとってみる。ボスはあたしをちょっと抱き寄せる。

「‥.、ボスが知らないとこで、一人で泣いてるかも。」


「‥キツイな、」

ボスからそんな言葉が出てくるなんてびっくりだった。
そういった瞬間ボスは受話器をとる。

いきなりの事でちょっと脳が追いつかないあたしは、ショート寸前だ。

「沢田綱吉。姫の日本配属を取り消せ。出来ねえならてめえらの本部をかっ消す。」

がちゃ。

は、早っ。

ヴァリアーのボスレベルだと、そんな事も出来ちゃうのか。

あたしがボスを見つめているのに気が付いたのか、彼は少しため息をついてこう言った。



「だから、俺のいねえとこで泣くなよ、?」




泣かないよ


(あなたが隣にいるなら。)



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