「ね、ボス!聞いて!」
「どうした、?」


「トトロに会って一緒に空飛ぶ夢みたの!!」


姫はほんと餓鬼だ。
おこちゃまっつーか、
大人げないっつーか、

ガキ。


「っは、くだんねえ‥」
呆れのため息しかでない。
トトロに会った?
空飛んだ?
極めつけは夢落ち。

馬鹿か、こいつは。

「ちょっと、!なんか、感想ないわけ?‘俺も会いたい’とか。」

「お前ほんとに18か?」

俺がトトロに会いたいなんざ言うわけねえだろ。

「まあボスはトトロになんて会えないよ。心が清くないと。」

そういい、悪戯をした後のガキのような無邪気な笑顔でこっちを見る。

「どういう意味だ、精神年齢3才児。」

「ボスは心が清くな‥、なんでもないです。」

姫と話していると飽きない。俺も同じレベルってことか。


「……。」
こいつは、機嫌が悪くなると黙り込む。

そんなとこもますます子供だ。

「なんか喋れ。」
「、あたし餓鬼だもん。ボスは子供嫌いでしょ。だからしゃべんない。」
「お前が沈黙するとつまんねえ、」
「ふん…」


「お前の声が好きだ。落ち着く。」

「Σ、な‥、そんな事言われても、さ。ね、‥」

顔を真っ赤にして下を向く姫はますます可愛い。
ますます子供に見える。

俺が相当惚れ込むぐらいだ。

そんなとこが好きと言われればそれまでだが。



しばらくの沈黙のあと、おもむろに立ち上がり無言のまま、俺の方に歩いてきて、隣に座る。

何をするのかと思ったら、


「好きだよ、ザンザス。」

耳元で囁いたあと、ぎゅっと抱きしめる。
不意打ちどころの騒ぎじゃない。


「女って怖ぇな、」

「、?」



「ガキなのか大人なのかわかんねえ。」


姫は何か言おうとしたが、めんどくせえから唇を塞ぐ。

今更、止めろなんて聞かねえ。


誘ったのはてめえの方だろ?




(大人になりたくないから)
(あたしは逃げるの。)



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -