お姫様になりたい。


女の子なら誰でも一度はそう思った事はあるよね。

あたし、実は今もそう思ってるの。
シンデレラの絵本を久しぶりに見たら、その世界の綺麗さにびっくりした。

子供の頃はまだ何も知らない無垢なココロだったけど、
世界を知った今、
こんな安っぽい裏切りとうす汚い偽善にまみれた世界を綺麗だなんて思えない。



「そんな事考えてる暇あったら別の事考えれば?ししっ。」

呑気な顔で軽くそんな事言うベルだけど、ちゃっかりシンデレラ読んでるし。
ソファの隣に座っているベルを肘で小突く。


「あたしお姫様になりたい。」


あたしがそう言うと、ベルは聞いてるのか聞いてないのかわからないけど、笑っているようだ。

はあ、
…まあそんなお伽噺みたいな事を夢見てるあたしが可笑しいんだ、多分。


けっこう深刻な願望なのに。

「じゃあさ姫、」
「なに?ベ、‥」

ちゅ、

「王子がお前をお姫様にしてやろっか?」



絶対的ハッピーエンド



(金髪の王子はお姫様に優しくキスをしました。)



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