4000Hitsリク:甘々(…かどうかは不明←) これからもずっと、 俺の隣を歩いてくれないか。 こーんな告白の常套句を聞きながら、あたしはザンザスと恋愛ドラマを見てる。 まあザンザスは仕事してるんだけど。 あたしが勝手に部屋に乗り込んで勝手にテレビつけて勝手にドラマ見てるだけ。 え…、優さん、今…なんて、? 君に、これからも‥俺の隣を歩いて欲しいんだ。 優しげに微笑む優さんと呼ばれた男の人は、そのままドラマのヒロインちゃんを抱きしめる。 はいはい、ハッピーエンド。 あたしは、目の前にあったビールを一気飲み。 このドラマ、あんまおもしろくなかった。 「あたし、ザンザスの隣を歩く資格なんてあるのかな。」 ふと、考えてみた。 あたしは、ザンザスが好きだよ。ザンザスもあたしの事、少なからず好きでいてくれてるはず。 だけど、あたしとザンザスじゃ釣り合わないよね、常識的に考えて。 「あ、?」 ザンザスは、書類から目を上げる。 たいした事じゃないから、聞き流してくれてもよかったんだけどな。 「いや、‥あたしに、ザンザスの隣歩く資格ないな、とおもって。」 最後の方は、超ちっさい声になったけど。まあ、ボスなら「馬鹿かてめえは。」ぐらいで流してくれるかな。 「馬鹿か、てめえ。」 ほら。 どんぴしゃ! ザンザスの言いそうな事ぐらい、分かるようになってきた! 「俺の隣にいねえと、迷子になるだろ。」 ふっ、と鼻で笑い再びザンザスは書類を見始めた。 …あーもうほんとなんなんだこの人。なんでこんなにあたしばっかり。 好きだ。 ほんとに好き。 「ザンザス、」 「なんだ、」 「離さないでね。」 「、」 「迷子にならないように。あたしを離さないで。」 「っは、覚悟しとけ。 もう俺から逃げらんねえぞ。」 君のとなり (逃がす気なんて、ないくせに。) (逃げる気もないんだろ。) |