「きゃー、日本、ゴールいれたあああーっ!」
「…」
「キーパー超かっこいい!」
「…」
「うっわー、こけた。痛そう!」
「おい。」
「あ、やばい!危ない、いれられるーっ」
「…おい。」
「よっしゃあああ!止めた!さすが!」
「…姫、いい加減にしやが「追加点きたああああああーっ!!!!!」

ゴン、
と頭をはたかれた。
ボスに。
「な、なんでいきなり!」
「いきなりじゃねえ。てめえがサッカーに夢中で聞いてなかっただけだろ。」

今、世界はW杯に燃えてます。
頑張れ、日本!!!
あたしも、全力で応援中。

「XANXASも、応援してよー。」
「くだんねえ。」
「…あたしは応援するもん。」
「好きにしろ。」

さも、どうでもよさそうな雰囲気を醸し出しながら、彼はあたしに言い放つ。
もー。
なんで不機嫌なわけ。

「…でさ、なんで呼んだの?」
「もういい。」
「よくない。」
「いい、つってんだろーが。」
「ずるい。」
「何がだ。」
「う…。な、何か。」
「はぁ。」

うわ、ため息つかれた。
ひどい。あたしの彼氏様なのに。
「で!なに!言いなさい!」
「…ほんとに言っていいのか。」
「うん。」
「この試合勝つぞ。」
「…はい?」

何事もなかったようにあたしの隣でワインを片手に悠々としている。
「ちょ、…超直感か!」
うわー。
やばいー。
聞かなければよかった!

「結果わかったんだから、もういいだろ。」
「やだ、見るー。」
意地でも見てやるー!

あたしがそう言ったら、XANXASは、むすっ、として、あたしの髪を軽く引っ張る。
なんか可愛い。

「そんなんより、俺の相手しろ。」

そう囁かれた。
普段滅多にデレないXANXASが、そんな事言うもんだから、びっくりして、XANXASの方を見たら、顎をくいっと持たれてキスをされる。
ああ、もう駄目。
このまま、XANXASの思い通りになるんだ、きっと。

だからあたしは、心の中で祈ります。

頑張れ、日本!!!!

(きっと試合終了まで)
(彼が離してくれない。)




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