罰ゲーム:負けた方が、一週間勝った方の使用人になる。


あっちむいてほい、!

「ま、ま、負け…たっ」
なんて予想外の展開!
あたしが!あたしが負けるなんてーっ!
暇だったから、ノリであっちむいてほい、のゲームをしてたところ。XANXASが、「罰ゲームがないとつまんねえ」って言い出し、今に至る。

「あたし、幼稚園の時、あだ名が“あっちむいてほいの女王”だったんだよ?!」
「いつの話だ。」
「なんで、負けるの?!ありえないっ!ねえ、なんで!?」
「知るか。」
「悔しいーっ」
「約束は約束だからな。」
ニヤニヤして、XANXASは言うけど、あたしにとったら地獄だ。
でも、ここまで来たんならやるしかない。


「そろそろXANXASが起きる時間だから、朝食の用意を頼まないと…、その後は、今日のスケジュール確認で、部屋の掃除も、っと。」

あたしは、XANXAS様に仕えるメイド、ってゆー。
…正直腹立たしい。
「ザンザス起きて!」
「あ?」
寝起きの悪い彼を起こすのは、命懸けだ。
「だからーっ、起きなさい!」
「てめえは使用人だろ?言葉遣い。」
くくっ、と笑いあたしをベットに寝たままあたしを見る彼。
「起きてください、ザンザ…ス様。」
「っは、上出来だ。」
満足そうに笑うと、やっと体を起こしてくれた。
こんな罰ゲームにしなきゃよかった!ほんと後悔。
あたしは、不機嫌そうな顔をして、XANXASが起きたてのベッドのシーツをかえるためにベッドに膝をついた。
「姫。」
ちゅ、
いきなり名前を呼ばれて、振り向いたら、いきなり、
「っちょ、何、…してるんですかっ」
敬語、敬語。
「自分の女に何したっていいだろ。」
サラッと言うけど、…
「今はXANXASの使用人だから、駄目ですぅー」
わざと、憎たらしげに言い、あっかんべ、をする。
ちょっとは反撃だもん。
あんなのが一週間続いたら死んじゃう。
「うるせえ、」
舌打ちをしながら、あたしを押し倒すXANXAS。
「だからーっ、駄目だっ「自分の女に手出すのが駄目なら、使用人のお前を犯す。それだけの話だ。」
おい!
ひどい!
「それ、あたしとヤれなかったら、メイドとヤるって事?!ひどくない?!XANXASっていつもそうなの?!」
「ちげえよ。」
「今の言い方だと、完全にそうじゃん!」
はあ、とXANXASは溜息をこぼす。
「…姫だからだ。」
そう言って、XANXASはあたしから離れる。
きゅん、
なんだかんだで、あたしはあなたが好きです。そしてあたしも溺愛されちゃってます。
こんな事で気を良くしたあたしは、ついノリノリで、使用人になりきる。
「XANXAS様っ。コックさんが、朝食作ってくれてるから♪着替えたら、ダイニングに来てください〜」
ふん、とXANXASは鼻で笑い、部屋を出る。
ちゃんとダイニングに向かったらしい。
えへへ、
さっきのXANXASの言葉を思い出し、ひとり浮かれて部屋の掃除をしてると、ほどなくしてXANXASが帰ってきた。
「…なんか早くない、?」
あたしが尋ねると、XANXASが珍しく後ろからあたしを抱きしめる。
「こんな罰ゲーム終わりだ。」
「えっ?いいの?」
あたしからしたら、万々歳だけど。
「てめえの手料理が食いたい。」
そう言って彼は、あたしに優しくキスをした。



「じゃあ、今度は勝った方のお願いを、負けた方が聴くの。」
「こりねえな、」


あっちむいてほい、
(…てめえの願いはなんだ。)
(ずっと側にいて、)
(言われなくてもそのつもりだ。)



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テーマ「人外ファンタジー」
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