スクアーロ隊長の部下になって3ヶ月。 ヴァリアーの幹部の部下になると、同じ屋敷で過ごす事が出来る。 だから、だから! 憧れのボスとお近づきになれると思ったのに! 「なんで全然ボスと関われないんですかー!」 「俺に言われてもなぁ"…」 スクアーロ隊長は、困った顔をする。 「逢わせて下さいよ〜隊長〜!」 「姫!抜け駆けはずるいよっ!」 「あたしも逢ってみたいです!」 「だって、どんな女も、色気でイチコロだって噂!」 「拝みてえ〜」 あたしがこう言えば、周りの他の隊員たちも口々に言う。 みんなが逢ったら、意味ないのに。 あたしだけが特別に、会えればいい。なんて夢のまた夢だけど。 「この馬鹿でけえ屋敷歩き回ってりゃ、死ぬまでには会えんじゃねぇかあ?」 簡単な事のように隊長は言うけど、そんなの、体力的にも精神的にも無理! やっぱ、憧れで終わっちゃうのかな。 あたしが、絶望的な顔をしてたら、作戦隊長が、周りに気付かれないようにあたしに囁いた。 「あいつは、夜の12時あたりに、B棟の最上階にある自室へ戻る。会いてえなら、エレベーターで待っとけぇ。」 ただし、命の保証はしねぇぞぉ、と笑って去っていった。 「隊長、感謝です!」 そう叫んだら、隊長は振り返って微笑んだ。 隊長に有益な情報をもらって、B棟のエレベーターで待ち続けて2週間。 あたしはいっこうに、ボスに… 「会えないー!!!!」 「うるせえ、叫ぶな。」 「だって、会えないか…ら、って…ボ、ボ、ボスですかっっっっ!!?」 やややややばい!! ついに、 ついにこの日がっ。 「叫ぶなっつってんだろ。消され「好きですっっっっ!!」 「…、あ?」 あれ、なんか順番間違えた。 まあいいや。 もうなんか、わけわかんない!とにかく色気半端ない…クラクラする!さすがボス! 「おまえ…頭大丈夫か。」 「脳みそが溶けてます、」 ぶはっ、とボスが吹き出す。 「名前は?」 「姫です、」 丁度あたしが言葉を言い終えた時に、チン,とボスが降りる階についた。 エレベーターを降りるボス。 あーあ、もうお別れか。 やっぱりボスは素敵だった。 逢えて満足!やっぱり憧れだ。 少し寂しかったけど、おやすみなさい、とボスに言おうとした。 でもそのまえに、ボスが振り返ってエレベーターのドアを抑え、あたしの目を見つめた。 「明日も来い。」 待っててやる、と満足そうに言った。 なんか言おうとしたけど、その前にドアは閉まった。 まあいいや。 明日も逢えるから。 深夜の秘密 (扉が開いた時の、) (どきどき感が好きなの。) |