"好き。" ヴァリア-の幹部になって1年。
まだボスに思いを伝えられていない。なんて臆病者なのあたしって。任務の報告書を持ってボスの部屋へ向かう途中に、ふとそう思った。告白しよう、と思いたってから結局何も言えずじまいで3ヶ月は経ったはず。前回なんて、
「…ボス!」
「なんだ、」
「あの、えっと…す、すす」
「…言いたい事があるならさっさと言え」
「す…、酢豚にパイナップルって許せますか?!」
とか言っちゃったし。そしたらボスに睨まれたから、思わず話題そらそうとして、
「パイナップルといえば、あのかっこいいボンゴレの霧の守護「うるせぇ」
ばっさり斬られたからね、もうね、心折れるよ。ぽっきん、って。
"好き"。この一言が何度胸をつかえたか。言えたら楽なのに。でも告白の結果なんて見え見えだも「何が見え見えなんだ?」
「あ、ボス。…な、なんで聴いてんの?!」
「ここをどこだと思ってる。」
「あ、れ。ボスの部屋…いつの間に着いてたんだ?」
「俺の部屋にボソボソ呟きながらノックもせずに入って来た奴は誰だ?」
「う、…ごめんなさい」
そんなん全然気付かなかったよ!無意識のうちに…。今度から気をつけよ。
「…報告書。」
「あ、はい。」
「…」
「…じゃあ失礼します、」
失敗したなー。まさかボスに聞かれるなんて。これからは気をつけよ。はぁ。こんなんじゃ告白どころか不法侵入で捕まっちゃうかも。それかボスにかっ消されるか。
「おい、」
「はっ、はい!」
この部屋を出ようとして、とぼとぼと扉へ向かっているとボスに腕を掴まれた。
「俺は酢豚にパイナップルは許せる。」
「あ…そ、そうですか」
「だが、お前が俺の前で他の男の話をするのは許さねぇ。」
「…え、どういう」
ここまで言ってあたしの思考回路は停止した。ボスがあたしを抱き寄せたから。
「姫、俺の女になれ。」
終わりの見えない恋をしよう
(あ、あたし…ボスが好き!)
(っは。知っている。)
(え?!な、んで?)
(あそこまで言っといて"酢豚"の話題だすカスがどこにいる。)
(…晩御飯は酢豚にしてもらお。)






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