-38.5°-
「やばい!XANXUS、熱あるよ!!」
朝から、気だるそうにしてたXANXUSに、無理に体温計で計らせて、よかった…
「…だるい」
相当苦しそうに息をしながらも、あたしを後ろから、ぎゅっと抱きしめるXANXUS。おかしいな、って思ったんだよね、朝から、やけに抱きついてくるし。素直だし。
「ほら、寝て…即刻!早く!」
嫌そうな顔をしつつも、ベッドに向かうXANXUS。今日はほんとやけに素直ー。やっぱしんどいのかな…
「今、氷枕とか持ってくるから、待ってて」
早くしないと。ご飯は、栄養満点なのを作って、あ!風邪薬、どこにあったっけな、とりあえずあの棚を探し「行くな、」
「え?」
「姫はここにいろ。…離れんな」
あっれ。やばい。熱でうかされて、ちょっと頬の赤いXANXUSは、めちゃくちゃ可愛い……これがギャップか!!やばいぞ!ずっきゅーん、って感じ!
「なぁ…こっちこいよ…姫、」
やばいです、付き合って2年。こんな甘い彼を見た事がない!故に、反応に困る。
「だって風邪薬飲まないと、」
「…メイドにやらせろ。お前は、こっち。」
そう言って、ベッドの横をばしばし叩く彼。
「だーめ。大人しく寝てなさい。」
ほんとは行きたいけど、XANXUSのため。彼のため、なんだから…
「風邪薬の他に、なんかいる物ある?欲しい物とか、食べたい物とか。」
「姫がいれば何もいらねぇ…」
っちょ。やばいって。可愛いって。頬を赤く染めて、少し荒い息をしながら、あたしを見つめるXANXUSを見ると、どきんと胸がなる。いつも上から目線、常に地軸は自分にあって、こんな甘ったるい愛の言葉なんて、囁かないXANXUSが!これですよ!
「もう…」
彼の子犬のような雰囲気に負けたあたしは、屋敷内の無線で、メイドに全て頼み、XANXUSの側に行った。でも今日は!この甘えたちゃんXANXUSに、負けないようにあたしがしっかりしないと!と、決意。
「大丈夫、?早く寝ないと。」
彼の額に手を当て、熱を計ろうとすると、いきなり腕を掴まれて、引き寄せられる。
「姫も一緒に寝ろ、」
「駄目。熱下がらないよ?」
「っち…」
ほんと、彼のこんな一面、きっと一生に一度ぐらいだよ!一緒に寝るのをせがむところは、変わってないけど。
「…寝なくてもいい、抱かせろ」
この人は、熱があってもエロいんですね。…まぁそんなとこも好きなんだけど。
そんな事を考えてると、XANXUSがあたしをぎゅっと抱きしめ、髪を撫でて耳元で囁く。
「なぁ…抱きてぇ…。お前感じてる顔が見てぇ…」
さっき決意したにも関わらず、早くも、彼に負けそうです。
甘い決意
(なんでキスしてくれないの?)
(…風邪うつるだろ)




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