「ゔぉ゙ぉい…ボス、報告書持ってき「今、俺に話しかけるなカス。消すぞ」
只今ボスの機嫌最悪!イライラMAX!報告書を持ってきただけなのに、何故か怒られる。
「むむ…今日のボスの荒れ度は、まれに見る、ヒマラヤ級だね」
そうなの。ボスの機嫌悪いのはしょっちゅうだけど、今日のそれは尋常じゃない。部屋の外に居る幹部にもわかるぐらい。
「姫さー、彼女なんだからなんとかしろよ。」
そんな真剣な顔で言われても。
「ベル、王子なんでしょ?これぐらい余裕じゃないの?」
こうして、言い合いが始まる→ルッスがなだめる→収まらない→スクアーロに怒られる→スクアーロの声が大きすぎてボスがキレる。
この繰り返しを何度となく経験してきたあたし達は、もう無駄な言い争いはしない。
「なんでボスはあんなにイライラしていらっしゃるのだ?」
「ん〜それがねぇ今夜、ボンゴレ本部で会議があるらしくて、まぁ詳しい事はわからないけど、色々考えなくちゃいけない事があるらしいわ。」
ルッスの説明を聴いたあたしは、悩んだ末、ボスの機嫌をなだめようと決心した。
「姫、どこ行くんだぁ゙?」
「ボスんとこ、」
「あら〜大丈夫?あんまり怒らせちゃ駄目よ、」
「いくら姫でも、今日のボスは荒れてるから。生きて帰ってこれるといいな♪ししっ」
心配の声もあがるなか、みんなに後押しされながら、ボスの部屋をノックする。
「ボス、」
「入れ」
ガチャ、と扉を開けると、机の上に足を乗せて、明らかに機嫌悪いオーラを醸し出しているボスが目に入る。
「何の用だ」
「…ボス…、少し休んだら?」
言いながら、ボスのそばまで歩み寄る。
「余計なお世話だ」
チラ、とあたしに目を向けるけど、またすぐに書類に目を戻すボス。その端正な顔には疲労がうかがえる。
「…疲れてるでしょ?」
「いろいろ考えねぇといけねぇ事が多いんだ、お前には関係ねぇ。」
ほんとに今日は機嫌悪い。これは彼女のあたしでも、どうにかなりそうではない。だったら、あんまり仕事の邪魔しない方がいいよね…
「ごめんね、…仕事終わったら構ってね、」
ちゅ、
ボスの額に軽くキスをして(結構命懸け)この部屋を出ようとすると、急にボスに腕を掴まれた。
「ここにいろ、」
「…え…なん、で」
「てめぇの事しか考えられなくなっちまっただろうが…」
はぁ、と溜め息をつき、あたしを抱きしめるボスの腕はいつもよりずっとずっと、優しい気がした。
何考えてるの?
(あたしはいつだって、)
(あなたの事。)



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